傷付く子どもたち③

しつこいですがシリーズ③です。⑤までの予定です。

あと2つは我が子の話です。まずは次男。彼が小学校低学年の頃、兄と一緒に公式テニスの教室に通い始めました。うちの兄弟は自己主張ができない、おとなしい、目立たない子どもでした。その分 悪い事も秩序を乱すことも一切しません。毎週観覧していましたが、正直「居ても居なくても差し障りないんだろうな・・・」という印象でした。特別可愛がってもらえることもなく、名前は覚えてくれてるのかな?という感じでした。本人はテニスがしたかったので最初は楽しそうでしたが、褒められもしない、特別気にもかけてもらえない空気にモチベーションが下がって行く様子でした。


そんなある日、コーチが代りました。明るくて若い男性でした。レッスンが明るくなり笑いが起こり 私はこれでちょっと楽しくなるかな?と期待しておりました。ですが・・・このコーチ・・・暴走します(笑)

コーチが与える課題ができないと、みんなの前で罰ゲームみたいなことをさせます。楽しみながら上手くなって欲しいと思ったのでしょう。ですがこれはリスキーです。みんなの前で辱めを受けるわけですから、平気かどうか見極める力がそのコーチにあるとは思えません。

「あそこまでダッシュで往復してこい!」や「もう10回できるまでずっとやっとけ」など・・・できた子は爆笑したりして見ています。

私は同じ「子どもの指導者」として心配になりました。これ・・・大丈夫なの?と。明るくて面白ろがれる子には好評ですが 子どもだからってそういうことに傷付かないなんて思ったら危険過ぎます。

我が子が可哀想で心配したのではありません。生徒さん全員の事が心配でした。(大きなお世話ですが)

やはり、泣き出す子が出始めました。コーチは反省するどころか こんなことで泣く方が弱虫みたいにやはり笑い者にしました。できた子はずっと笑っていました。

うちの次男は・・・泣きはしませんでしたが毎週テニスに行き渋り始めました。兄が行くので仕方なく行くけど、明らかに嫌そうでした。

実は次男は辱めを受けても笑ってたんです。だからコーチには楽しんでると思われたのでしょう。でも私は楽しいわけがないと思っていました。きっと、気を使って、また恥ずかしさを隠すために笑って自分を保ってたんだと思っていました。

図星でした。悲しくて恥ずかしくて腹が立って・・・でも全部我慢して笑ってたようです。

もうテニスへの気持ちもなくなってしまい、結局辞めました。(兄はクラスが違うので続けました)

コーチが全て悪いとは言いません。ですが見極める力がない人は危険なことはしてはいけません。子どもの人生の一部に接する大人が、もっと責任を持って接しないと 子どもにトラウマを持たせる可能性もあるんです。

明るいのは良い事です。その明るいキャラクターを活かして 褒めることに、励ますことに徹していたら良かったのではないのかな?と思います。まだ低学年の、選手育成みたいなコースではないお遊びのクラスであることも考えて行動したらよかったのでは??

もちろん私は文句も言いませんし、息子にもコーチを悪くは言いませんでした。でも次男の気持ちを聞いてやり 汲んでやろうとは思いました。

しっかり子ども達の様子を見ていたら、本気で喜んでいるかどうかは少しはわかったと思うんですけど・・・。まだ経験が浅かったのかな?浅い時は、ベテランの人気のあるコーチの様子を見て勉強する謙虚さを持てたら良いですね。

私は完璧にできています、という話ではなく 30年もやっていても 教員免許があっても 心理カウンセラーでも ずっと生涯勉強だと思って謙虚に生きています。100人いたら100様です。同じ子は絶対いません。細やかに表情、口調、顔色・・・などを当たり前に見るようにもう癖になっています。同じ子でも毎週違いますからね。

今後アルバイトの大学生に手伝ってもらうことになると思いますが、その辺の考えは必ず伝授していきたいと思います。

次男は、こんな性格でしたので色んな面で傷付いてきたと思います。その分 今 とても優しい大人になりました。自分のされて嫌なことはしない、してもらって嬉しかったことは誰かにもしてあげる。これをみんなができたら傷付く子どもは減るんですけどね・・・

優しい社会になることを心から祈ります。